終戦から75年のコロナ禍、暑い夏
三重県四日市市「そらんぼ四日市」(四日市市立博物館4F・近鉄四日市駅前「都ホテル」西)
において無言館所蔵作品133展を開催中(会期 ~9月6日<日>・休館月但し8月31日は開館)
うち三重県出身で唯一
田中兵部氏(1919年生 山中37期 同期に富内英一元校長)の作品屏風絵「婦人像」が展示されています。
戦時中は、絵を描くことも「非国民」と避難された時代。宇治山田中学校卒業後、京都の美術専門学校へ、
その後、召集令状により戦地。南太平洋ブーゲンビル島で戦死。無念にも画家の夢を絶たれました。
展示作品は、前半、戦没学生画家の遺品の数々、暗い画風が続き戦時中の悲惨な心情を感じ取らざるを得ません。
後半は、これが戦時中に描かれた作品かと目を疑うほど明るく、“夢”“志”“希望”に満ち、“今を必死に生きる”戦没となる学生画家。鑑賞者に「平和」であることの尊さを思い知らされます。
その中に前述の作品「婦人像」、遺作品陳列、地元、戦地では、“御公家さん”と呼ばれ、伊勢の生まれ育ちだけに海がお好きで素潜りしては、魚を捕り、碁を打つ趣味、
遺品では、父田中繁蔵(伊勢田中病院創業者)に宛てた手紙ー戦地でも絵画同好会を主宰結成の報、を拝読すると目頭が熱くなりました。
同窓では、詩人の竹内浩三氏はじめ数多くの才ある先輩方が戦争の犠牲になっています。戦後75年が経ち、加齢とともに戦争の実体験者が少なくなる今日、風化をさせてはなりません。
会期は残り少なくなっていますが、これまでNHKラジオ番組「ラジオ深夜便」、朝日新聞、中日新聞ほかでも紹介、掲載されています。
北勢支部の皆さんをはじめ、ぜひ、この機会に無言館四日市展へお越しください。
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